9月16日、菅内閣が誕生しました。コロナ禍においては行政のデジタル化の遅れが浮き彫りとなり、新政府は「デジタル庁」を新設すると発表しています。通信業界では「5G」がスタートするなど、デジタルへの取り組みは今後、ますます重要になってきそうです。
冬場の同時流行に備える
規制改革を政策の柱とする菅政権は、「オンライン診療の全面解禁」を打ち出しています。いままでは初診の際、対面が義務化されていましたが、パソコンやスマートフォンなどでの受診が可能となるよう検討。待ち時間の短縮や移動しなくて済むなど、さまざまなメリットが出てきそうです。
またこれから冬を迎えるにあたって懸念されるのが、新型コロナとインフルエンザの同時流行です。そうした事態に備えようと、広域医療連携に動く自治体もあります。
山口県と島根県は、医療体制が逼迫(ひっぱく)した場合、PCR検査や患者の受け入れを相互におこなうことで合意しました。鳥取県とも、入院患者の受け入れや保健師の派遣をし合うことを確認しています。新型コロナが再流行してからでは対応が遅くなるため、平時からこうした連携の確認をおこなっておく必要がありそうです。
国のデジタル政策の一例
給付金申請ではマイナンバーの非デジタル化が明らかとなりましたが、菅政権はマイナンバーと預金口座を連動させるための法整備も急ぐとしています。給付金の申請だけでなく、たとえば災害が発生してキャッシュカードや預金通帳を紛失した際、素早くお金を引き出せるようにするなどの案も検討しているとのことです。
ただ、預金口座との連動を義務化すると「国に資産を把握されるのでは」との懸念が広まりかねないため、連動するかどうかは選択できるようにするとのこと。さらに、スマートフォンで本人確認ができる仕組みや、健康保険証、運転免許証などとの紐付けも検討するとのことです。今後、国がこうした方向に舵を切ることを理解しておけば、自治体としてもデジタル政策に柔軟に対応できそうです。
渋谷区はLINEで住民票の申請を可能に
- LINEは2021年春から、マイナンバーカードの電子証明書で本人認証ができるようにすると発表しました。スマートフォンなどで本人認証ができるだけでなく、自治体が提携している場合は給付金の申請などが役所に行かなくてもできるようになるとのことです。
東京都渋谷区ではすでに、LINEで住民票や所得証明書、納税証明書などの発行を申請できるサービスを開始しました。同区は来庁の際の事前予約もLINEでできるようにしていて、住民と役所の双方にメリットをもたらすでしょう。
ただせっかくの便利なサービスも、住民に周知できていなければ“宝の持ち腐れ”になります。広報誌やホームページ、SNSなどあらゆる媒体を駆使して、情報を発信することが大切です。情報発信によって暮らしやすさが高まることはもちろん、きめ細やかに情報を発信する自治体の姿勢に意気込みを感じれば、選ばれるまちとなるはずです。
- 当社の提供している「MCCatalog+」は、広報誌や観光案内、フリーペーパーなどを簡単にデジタル化・多言語化して、スマートフォンやタブレットに配信することが可能です。地域や自治体に関する情報を効果的に発信することができます。