専門のポータルサイトが登場するなど、近年、ふるさと納税への注目が高まっています。2017年度に全国の自治体が受け取ったふるさと納税の寄附額は3,653億円に上り、2015年度の1,652億円と比較するとその額は倍以上、5年連続過去最高を更新しました。自治体の財源としてはもちろん、地域アピールの手段としても期待できるふるさと納税ですが、返礼品の出荷管理はかなり負担となっているようです。
ふるさと納税の拡大とともに増大する出荷の負担
大分県国東市(人口約2万8,000人)の2017年度のふるさと納税の寄附額は約32億円、寄附件数は約14万2,000件でした。2015年度と比べると、件数は4.5倍以上に伸びています。まさに“うれしい悲鳴”なわけですが、返礼品を出荷するには1件1件メールやFAXなどで、生産者や企業(以下、協力事業者)に依頼しなくてはなりません。
申し込みが重なる時期は、対応などで1日を費やすこともあったといいます。さらに市が出荷状況を把握できないため、問い合わせがあった際に答えられなかったほか、メールの誤送信などによる個人情報漏洩リスクも懸念されました。一方、協力事業者からも「出荷作業に時間がかかって困る」という声も挙がっていたようです。
支援サービスを導入することで多彩なメリットが
- こうした状況を打開しようと、国東市は大手宅配会社が提供している出荷支援サービスの導入を決定しました。このサービスを導入したことで、出荷品目などのデータをシステムに入力すれば、集荷から配送までワンストップで対応してくれます。
国東市は通常の出荷依頼はもちろん、配送期間が限定される果物などの返礼品や、配送日が指定されている荷物など、複雑な管理業務からも解放されました。また出荷状況はシステムでいつでも確認できるようになったほか、もしも出荷日を変更したいとなった場合でも、システムを通じて宅配会社へ依頼することが可能になっています。
協力事業者にとってみても、出荷伝票の配送先は記入済みの状態で届けられる、出荷準備が整った段階で宅配ドライバーが訪問してくれるなど、国東市同様に負担が軽減されました。出荷支援サービスを導入しなければ、14万件以上という出荷管理はできなかったかもしれません。また時間が余ったことで、ほかの自治体と連携したキャンペーンの企画立案など、新たな戦略の構想も可能になります。
情報の周知徹底にも配慮したい
出荷に付随する業務が効率化できたのであれば、より多くの寄附を募りたいところ。もし寄附額が伸びないのであれば、支援サービスの導入にかかったコストのペイも難しくなるでしょう。
そこで大切になってくるのが、情報発信です。せっかく魅力的な返礼品を用意していても、それがユーザーの目や耳に留まらなければ意味がありません。いまではポータルサイトやSNS、広報誌など、さまざまな媒体やシステムが登場しています。それらを巧みに使い分けながら、的確に情報を届けていく必要があるでしょう。
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