各自治体にとって、観光資源は財産であり、まちの顔でもあります。そのためできるだけたくさんの人たちに、観光情報を発信していきたいところです。ここでは新たにアプリを開発して観光情報を届けている、福岡県うきは市の事例を紹介します。
スタンプラリーもできる、うきは市のスマホアプリ
人口3万人弱のうきは市では、年間を通じてさまざまなフルーツが採れることから「フルーツ王国」というキャッチフレーズを掲げ観光施策に取り組んでいます。また宿場町として栄えた吉井町の「白壁の町並み」も、大切な観光スポットです。同市ではITを活用して観光資源の訴求をしたいと模索するなか、スマホ、ビーコン(近距離無線技術)、GPSを組み合わせた新しいスマホアプリ「おさんぽうきは」を開発しました。
「おさんぽうきは」の特徴は、たとえばビーコンの設置してある付近を通りかかったアプリ利用者に対し、お店や施設の情報を配信するなど、いろいろな仕掛けができることです。またGPSを使用することで、特定のエリアに近づくとスタンプを獲得できるスタンプラリーの機能も搭載しています。
ひな人形を展示する、うきは市恒例の「おひなさまめぐり」では、イベントと連動した電子スタンプラリーを実施。若い女性から家族連れ、シニアの方々まで参加して、大変好評だったようです。ここ数年の観光入込客数は、アプリ導入前と比較して10%増加。恒例行事を活性化させる観光施策としても、アプリを使った楽しい仕掛けは有効だといえそうです。
小学生手づくりの観光情報という、斬新な取り組み
- 「おさんぽうきは」のコンテンツの1つに、地元の小学生が手づくりした観光マップがあります。うきは市内の一部の小学校では、2015年から毎年、班に分かれて市内の観光スポットやお店を発掘・取材し、観光マップを作成するという総合学習をおこなっています。そのなかで優秀な作品をアプリに掲載し、子ども目線による観光情報を配信しているのです。
郷土愛を育む全国初の取り組みとして、さまざまなメディアでも紹介されているこのコンテンツは、ICTと教育の融合による新たな観光事業モデルを創出したといえるでしょう。またお店をはじめとする地域の人たちを巻き込んだ、継続性の高い取り組みともいえます。
「おさんぽうきは」には、スタンプラリーの取得状況やコンテンツの閲覧状況などを把握できる機能も搭載。利用者の行動を解析することで、観光施策にフィードバックすることができています。今後もさまざまな機能を追加していくことで、アプリを有効活用していくとしています。
いかがでしたでしょうか?アイデア次第では、自治体の魅力をいろいろと発信できそうです。またうきは市のような取り組みに加えて外国語で情報発信することができれば、外国人観光客にもアピールすることができ、より効果が期待できるでしょう。一からアプリを開発するのは費用的にも時間的にもハードルが高いかもしれませんが、すでにあるアプリを使用すれば、オリジナルの情報やコンテンツをリーズナブルに配信することが可能です。ぜひ一度、情報収集してみることをオススメします。
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