自治体と民間企業の福祉コラボ

コラム

2019/03/08

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2019/03/08

自治体と民間企業の福祉コラボ

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注目を集める民間の福祉団体

自治体が力を入れなければならない分野の1つに、「福祉」があります。デジタル大辞泉によれば、福祉とは「公的な配慮・サービスによって社会の成員が等しく受けることのできる充足や安心。幸福な生活環境を公的扶助によって作り出そうとすること」と定義されています。しかしながら民間の動きも活発で、福祉事業に取り組む団体はさまざまにあります。
  
北海道・石狩郡に拠点を構える「社会福祉法人 ゆうゆう」もその1つ。ゆうゆうの母体は2003年、北海道医療大学のボランティアセンターとして発足。障害児のレスパイトサービスの開始とともに、0歳から96歳まで幅広い住民の困り事をサポートしてきました。
  
2013年には、社会福祉法人 ゆうゆうへ改組。現在は、小学生から高校生までを対象に、大人になってからの生活を体験してもらう「放課後等デイサービスセンターkaede」や、介護保険の認定を受けている人・これから受ける人の、介護保険サービスの利用をサポートする「居宅介護支援事業所 ハナミズキ」など、実に多彩な事業を展開しています。ゆうゆうはデザイン性の高いホームページを開設するなど、情報発信力にも長けていて、さまざまなメディアで取り上げられたり、全国からの視察も相次いでいるようです。

民間とコラボすることで福祉の可能性は広がる

自治体と民間企業がコラボするケースも目立っています。大阪府は2015年4月より、民間企業に対応する専任部署「公民戦略連携デスク」を設置し、企業との積極的な連携協定を推進しています。企業が提案しやすいワンストップの窓口をつくったことで、2016年には250社との面談が実現。各部署への調整がスムーズになり、協定を結ぶまでのスピードも向上しているようです。

  • 東京都日野市は、ICT事業を展開する株式会社ワイ・シー・シーと提携。支援を必要とする発達障害児の「個別支援計画」を中心とした、成長記録などの一元管理を実現しています。一般的に保育園・幼稚園への入園や、小学校・中学校への進学時期は“切れ目”となり、支援を必要とする子供の指導履歴も途切れやすいもの。ところが同社のシステムを導入したことで、迅速かつ確実な情報の引き継ぎが可能に。直接交流のない保育園から小学校へ情報が引き継がれたことで、一貫した支援ができるようになったケースもあるようです。

福祉の課題や現状を、自治体の力だけで打開するのは難しいかもしれません。そのため、ゆうゆうのようにすでに優れた成果を挙げている団体と協業する、大阪府のように企業が提案しやすい窓口をつくる、日野市のようにシステム会社と提携するなど、ほかの団体と連携も意識したいもの。そうすることで、さまざまな取り組みができそうです。
  
さらに、実施した新たな取り組みは、広く一般に発信したいもの。その自治体ならではの独自性をアピールすることで、まちの魅力はさらに向上するでしょう。注目が集まれば転入者の増加や新たな団体とのコラボなど、また違った展開が期待できるはずです。

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