コラム
2017/08/10
日本は気軽に行ける海外旅行先 ~国別にみる旅のスタイル・韓国編~
2016年の訪日外国人旅行者数のうち、韓国人旅行者の数は509万302人。訪日外国人旅行者全体に占める割合は21.2%で、中国につづいて第2位です。距離的にも近い韓国はインバウンド消費を狙ううえで無視できない国のひとつです。そんな彼らの旅のスタイルを探っていきます。
驚異的な伸び率をみせる韓国からの旅行者数
まず特筆すべきは、2017年上半期(1~6月)の時点での訪日外国人旅行者数のトップが韓国ということです。JNTO日本政府観光局が発表したデータによれば、2017年1~6月期の韓国からの旅行者数は339万5,900人で、昨年比42.5%の伸び率。対して、同期間の中国からの旅行者数は328万1,700人。中国も昨年比6.7%で増加傾向にありますので、決して悪いわけではありませんが、それ以上に韓国の伸び率が顕著です。
このまま行けば、昨年実績を更新するのは確実です。これまでインバウンドといえば中国人旅行者に注目が集まっていましたが、2017年は韓国人旅行者の動向にも注目すべきでしょう。
滞在日数は短く、訪日回数は多く
そんな韓国人旅行者の特徴は、日本での滞在期間が短いこと。観光庁「訪日外国人消費動向(平成28年年次報告書)」のデータによれば、滞在3日間以内が全体の33.7%、滞在4~6日間は56.7%という結果でした。欧米からの旅行者よりもアジア圏の旅行者のほうが、滞在期間が短い傾向にありますが、そのなかでも韓国人旅行者の滞在日数の短さは特に際立っています。
また、リピーターが多いのも特徴です。訪日が初めてという旅行者が約3割いる一方で、訪日10回目以上の旅行者が約15%強。日本人が週末やゴールデンウィークを利用して気軽に韓国へ行くように、韓国人にとっても日本はちょっと休みが取れたら気軽に行ける海外旅行先という位置づけなのかもしれません。
滞在期間が短いせいか、航空券や宿泊の手配は、団体旅行やパッケージツアーを利用することなく個人で行うのが一般的です。団体旅行の利用率は全体の10~20%程度。残りは個人手配です。短い滞在ながらも、自分で手配して何度も日本を訪れる韓国人旅行者は、旅慣れた熟練者ぞろい。マニュアル通りの対応だけでは、彼らに満足してもらうことは難しいでしょう。
日本でやりたいことがはっきりしている韓国人
- 韓国人旅行者の一回あたりの旅行支出は、平均70,281円。他の国々と比較するともっとも低い金額です。ですが、リピーターが多く日本の旅になれた韓国人旅行者は、目的をもって賢く旅をしているのかもしれません。日本でしか体験できないことにお金をかけて、宿泊はビジネスホテルやゲストハウスなどを利用して節約。メリハリの効いた旅が、韓国人旅行者の旅のスタイルのようです。
滞在期間が短いわけですから、日本で行きたいところ、日本でやりたいこと、日本で食べたいものを、訪日前にあらかじめ決めてから訪れていると考えられます。旅行前の情報収集に力を入れている彼らに日本のコンテンツの魅力を伝えるためには、ウェブサイトなど韓国語での情報発信のしくみを持っておくことが重要です。
- 当社の提供している「MCCatalog+」は、日本語の観光ガイドやフリーペーパー、レストランメニューなどを、スマートフォンやタブレット端末で簡単に多言語(英語・中国語簡体字・中国語繁体字・韓国語・タイ語・ポルトガル語)で閲覧することができます。好奇心旺盛な訪日外国人旅行者に対して「MCCatalog+」を使って、ディープな日本の情報を提供してみてはいかがでしょう。