コラム
2017/07/10
日本の新しい魅力を発見するリピーター ~国別にみる旅のスタイル・台湾編~
2016年の訪日外国人旅行者数のうち、台湾からの旅行者数は416万7,504人。訪日外国人旅行者全体に占める割合は17.3%で、中国、韓国につづく第3位です。日本への関心が高い彼らの旅のスタイルを、観光庁「訪日外国人消費動向(平成28年年次報告書)」のデータをもとに探っていきます。
台湾と日本各地を結ぶ直行便
東日本大震災が起こった2011年に一時的に減少したものの、台湾からの旅行者は安定的に増加し続けています。2012年に146万6,688人だった訪日旅行者数は、2016年に416万7,504人にまで拡大。台湾の人口は約2,300万人ですから、なんと6人に1人が日本を訪れている計算になります。
旅行者数増加の要因はさまざまありますが、そのひとつに2011年の日本・台湾間の航空自由化により国際路線が拡充し、台湾から日本への渡航が身近なものになったことが挙げられるでしょう。
LCCも含め台湾からの直行便が就航している日本の都市は、 札幌、函館、仙台、新潟、富山、小松、東京(成田・羽田)、名古屋、静岡、大阪、広島、高松、福岡、宮崎、鹿児島、那覇などです。大都市だけでなく地方都市への直行便も多いため、日本各地の観光地へのアクセスしやすくなりました。LCCを使えば、台湾~日本間の航空料金は片道数千円の安さです。
スマートフォンを使って日本の流行をキャッチ
- このようなアクセスの良さから、リピート率も高まっています。来訪回数をみてみると「訪日1回目」は18.8%、「訪日2~5回目」は47.8%、「訪日6~9回目」は13.2%、「訪日10~19回目」は、11.6%。「訪日20回目以上」という旅行者は、なんと8.6%という結果でした。旅行者全体の8割強がリピーター客という結果です。
訪日旅行者数の最も多い中国と来訪回数を比較してみると、初めて日本を訪れる中国人旅行者の割合は59.0%。このデータをみても、いかに台湾からの旅行者にリピーターが多いのかがわかります。
訪日回数の多いということは、日本についてよく知っているということ。東京や大阪・京都のゴールデンルートの観光地については、すでに経験済み。そのうえで新しい日本の魅力を体験したいと考えているのです。
親日家が多いことでも有名な台湾。特に若者は日本のエンターテイメントやファッションなどに関心が高く、日本で話題になっていることがテレビや雑誌、インターネットでよく取り上げられています。そのため、日本と台湾の流行の時差はほとんどありません。旅行中に最も役に立った情報源について「インターネット(スマートフォン)」と答えた旅行者は65.5%。彼らは、日本に住んでいる私たちと同じように情報を手に入れ、流行りのお店を目指して日本を訪れます。
リピーターの育成は台湾の事例を参考に
「滞在日数4~6日間」の割合が73.4%と、他の国々に比べると日本での滞在期間が短い傾向にあるかもしれません(全国籍・地域平均53.6%)。しかし、それはリピート率が高いことの裏返しです。台湾と日本は、飛行機でおよそ3~4時間の近さ。しかも、日本各地へ直行便が飛んでいるので、気になるスポットがあれば気軽に来れてしまいます。
リピート客の育成が今後の課題となる日本のインバウンドビジネス。台湾からの旅行者の動向は、今後、注目していきたい先行事例と言えるでしょう。
- 当社の提供している「MCCatalog+」は、日本語の観光ガイドやフリーペーパー、レストランメニューなどを、スマートフォンやタブレット端末で簡単に多言語(英語・中国語簡体字・中国語繁体字・韓国語・タイ語・ポルトガル語)で閲覧することができます。好奇心旺盛な訪日外国人旅行者に対して「MCCatalog+」を使って、ディープな日本の情報を提供してみてはいかがでしょう。