2013年に初めて1,000万人の大台に乗った訪日外国人旅行者数は、2014年は3割増の1,341万人、2015年はほぼ5割増の1974万人を記録。そして、昨年2016年は過去最多の2,404万人の旅行者が訪れるなど、ここ数年で急激に増加しています。彼らの旅のスタイルや日本での過ごし方について、観光庁が2017年3月に発表した「訪日外国人消費動向(平成28年年次報告書)」のデータをもとに2回に渡って探っていきます。
東南アジアからの旅行者が増大中
昨年日本を訪れた2,404万人の外国人旅行者のうち、最も多いのが中国の637万人、次いで、韓国509万人、台湾416万人、香港183万人、アメリカ合衆国124万人、タイ90万人、オーストラリア44万人、マレーシア39万人と続きます。
訪日外国人旅行者数全体の約7割強を占める東アジアの国々(中国・韓国・台湾・香港)は、前年から23%増と高い伸び率を見せています。しかし、それ以上に高い伸び率を示しているのが、フィリピンの29.6%とマレーシアの29.1%。東アジアの旅行者数にはまだまだ及びませんが、2017年以降のインバウンドマーケットを考えるにあたり、今後の増加が予想される東南アジアからの旅行者の動向から目が離せません。
韓国人にとって日本は気軽な海外旅行先
観光・レジャー目的で訪れた訪日外国人旅行者の日本での滞在期間は、6日間以内が全体の6割を占めます。しかし、国別の傾向を見てみると、国や地域によって大きな違いがあるようです。
滞在期間が最も短いのは、韓国。「3日以内」の旅行者が31.7%と、他の国・地域と比べ圧倒的に多いのが特徴です。福岡~仁川(ソウル)路線は、飛行時間でおよそ1時間30分。このぐらい近いと「週末にちょっと日本へ」と国内を旅するような気分で日本へ出かけているのかもしれません。日本から最も近い距離にある韓国にとって、日本は気軽に訪れやすい外国のようです。
韓国以外の東アジアの国々(中国・台湾・香港)は、全体平均と同じく6日間以内の滞在が主流。東南アジアの国々は、1週間以上滞在する割合が、東アジアのそれよりも若干増加しています。それに比べ、欧米からの旅行者は、長期滞在型がほとんど。「1週間の滞在で十分」というのは稀のようで、フランスに至っては2週間以上の滞在が58.3%を占め、じっくりと日本でのバカンスを楽しんでいます。
インターネットを使って自分だけの旅をつくる
日本を訪れる外国人旅行者が増えるにつれ、訪日2回目以上のリピーター旅行者も増加しています。リピーターの占める割合は全体平均で55.1%。最も多いのは台湾や香港で、なんと約8割がリピーター旅行者です。
団体ツアーで日本を周遊しているイメージが強い訪日外国人旅行者の旅のスタイルですが、実際は全体の59.1%が航空チケットや宿泊先などの手配を自分自身で行っている個人旅行者(FIT:Foreign Independent Travel)です。個人手配は、団体料金の適用がないため費用面ではパックツアーより高くなりますが、旅の自由度が格段にあがるため、近年人気を集めています。
日本を再度訪れるリピーターが増えるに連れ、個人旅行者の割合もさらに増えていくことでしょう。旅の手配を自分で済ませてしまう個人旅行者の情報収集手段は、なんといってもインターネットとスマートフォン。旅行に必要な往復航空券などをインターネット使って購入する割合は、6割以上です。
今後、個人旅行者が訪日観光の主流になってくることを考えると、個人旅行者に直接見つけて、旅先の候補に選んでもらえるよう効果的に情報を発信していかなければなりません。
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