日本を初めて訪れる外国人旅行者が必ずといってよいほど訪れる東京。東京を訪れる訪日外国人旅行者の動向から、今後のインバウンドの流れを読み取ることができます。日本政策投資銀行(DBJ)が、2017年1月に発表したデータをもとに探ってみましょう。
リピーターは「東京+地方」をセットで考える
東京を訪れた外国人旅行者のうち、全体の93%が日本の地方を「ぜひ旅行したい」「機会があれば旅行したい」と答えています。
地方観光地でやりたいことの上位を占めるのは「自然観光地を訪れる」「温泉を楽しむ」「郷土料理を食べる」「歴史的な街並みを楽しむ」など。東京などの都市部とは違う、地方ならではの風景や暮らしぶりを楽しみたいということなのでしょう。
大阪、京都、富士山というのは国を問わない人気の高い観光地ですが。アジア圏からの訪日外国人旅行者は、北海道や九州、沖縄へ訪問したいという意向が強く、特に台湾や香港からの旅行者は、それらに加え東北や四国も候補に挙げています。
最近では、LCCなどの就航で海外と地方を直接結ぶ交通ルートが整備されはじめていますが、それでも成田空港と羽田空港の国際線と日本各地を結ぶ新幹線の結節点である東京は、日本のインバウンド観光を考えるにあたってこれからも重要な位置を占めるのは間違いありません。
何回も日本を訪れる旅行者となれば別ですが、2~3回目といったリピーターであれば、まずは「東京+地方」という組み合わせで、再び日本を訪れる際の候補地を探すことが多いと思います。次の訪問先として候補に挙げられるよう、地方の魅力を発信するのと同時に、東京からのアクセス方法や所要時間、関連する周遊ルートなどの情報もあわせて発信していくことが大事です。
不安・不満の第1位は、言葉の問題
東京への訪問希望者が最も不安に感じているのは、「言葉が通じるかどうか」。次いで「現地での滞在費用が高い」「渡航費用が高い」と続きます。旅行費用が高いことについては、個々に対策をとることが難しいですが、言葉の問題についてはやりようはあります。 「公共交通機関の利用方法やネットワークがわからない」「病気や怪我にあった時が心配」「携帯電話や通信機器が利用しづらい(Wi-Fi等が利用しづらい)」というのも、つまりはコミュニケーションの問題ともいえますね。
それでは、実際に東京を訪れた外国人旅行者の実態はどうだったのでしょう。不満の第1位、第2位には「英語の通用度」と「母国語の通用度」が並びました。旅行前に不安に思っていたことが、そのまま不満へとつながっているのが現状です。
しかし、日本を訪れる外国人旅行者の出身国はさまざま、話す言語もさまざまです。そのすべてに対応することは、ほとんど不可能だといえるでしょう。多言語対応をすすめるうえで大事なのは優先順位の付け方です。
英語や中国語を話せる人材は、商品や契約内容の説明など、トラブルが起きやすかったり、イレギュラーな対応が求められたりする部門に配置し、簡単なやりとりでだけ済む場面であれば、スマートフォンやタブレットなどを使い、指さし会話でコミュニケーションをとってみるというのもよいでしょう。当社が提供している「MCCatalog+」であれば、英語・中国語簡体字、中国語繁体字・韓国語・タイ語・ポルトガル語への翻訳表示が簡単に行うことができます。まずはこちらを使って多言語対応をはじめてみてはいかがでしょうか。