日本ではじめてLCC(Low Cost Carrier:格安航空会社)の国際路線が就航したのは、2008年のこと。セブパシフィック航空のマニラ~関西路線が初めての路線でした。以降、リーマンショックや東日本大震災の発生などで伸び悩んだ時期もありましたが、今では海外旅行の新たな交通手段として重要な位置を占めています。訪日外国人旅行者数が年々増加している背景にも、LCC路線の拡充がその要因のひとつとして挙げられます。
地方空港への就航が増えたLCC国際線
現在日本へ就航しているLCCの国際路線は、韓国、中国、台湾、香港、シンガポール、タイ、インドネシア、マレーシア、フィリピン、オーストラリア、ニュージーランド、グアム。飛行時間が比較的短い東アジア、東南アジア、オセアニアからの路線が中心です。
最も路線数が多いのはLCCの誘致に積極的な関西国際空港。現在17のLCC航空会社が乗り入れています。その影響もあってか、2016年の外国人の国際線利用数は1日平均33,243人。対して日本人の利用は17,423人ですから、海外からの玄関口として存在感が強まっているといえるでしょう。
2015年4月にLCC専用の第3旅客ターミナルが開業した成田国際空港は、LCC航空会社10社が乗り入れています。LCC航空会社6社が乗り入れる中部国際空港では、2019年開業を目処にLCCターミナルビルを新設し、訪日外国人旅行者の受け入れ体制を整えています。
国際線というと、どうしても大きなターミナル空港を思い浮かべがちですが、地方空港からのLCC就航も活発です。北海道の玄関口、新千歳空港はソウル、釜山、上海、台湾、クアラルンプールから。沖縄の那覇空港はソウル、台北、香港、バンコクから就航しています。
新千歳空港や那覇空港は、人気のある観光地と直結した空港ですが、コストを抑えるために着陸料の安い地方空港へ就航するということも増えてきました。茨城空港や高松空港は上海からの直通便が、佐賀空港はソウルと上海からの直行便が飛んできています。
東京や大阪など大都市圏の空港で乗り換えをせずに、目的の観光地を訪れることができるLCCの直通便は、海外からの旅行者にとって大変便利なものです。地方へのインバウンド集客というと大都市圏からどのように呼び込むかに注力しがちですが、LCCが就航している空港を起点として周遊プランを考えてみるのもよいかもしれません。
LCCを利用するのは東アジア・東南アジアからの旅行者
- 運賃の安いLCCは、これまで旅行費用がネックで日本を訪れることができなかった新たな層に対して訪日旅行のキッカケをつくってくれます。航空券を個人で直接手配する個人旅行者(FIT:Foreign Independent Travel)との相性もよく、LCCを利用して交通費を抑え浮いた予算を宿泊や飲食などの費用に充ててます。
旅慣れたリピーターの旅行者となれば、現地でしかできない体験を求めてやってきます。たとえば買い物であれば、百貨店や免税店ではなくスーパーやコンビニといった地域の人たちが日常的に利用する場所を好みます。繁華街や工房などの街歩きも体験型のプログラムにも人気が集まるでしょう。
LCCを使って日本を訪れるのは、主に東アジアや東南アジアから旅行者です。彼らが訪れた際に心地よく過ごせるために、彼らの母国語でのコミュニケーションをとる機会は今後一層増えてきます。当社のMCCatalog+は、日本語で作られたパンフレットなどの印刷物を、英語・中国語簡体字、中国語繁体字・韓国語・タイ語に翻訳表示することができます。まずはこちらを使って多言語対応の準備を行い、あなたの街の魅力を発信してみてはいかがでしょうか。