店選びの決め手になりうるクレジットカード決済

コラム

2016/08/10

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2016/08/10

店選びの決め手になりうるクレジットカード決済

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中国人旅行者の”爆買い”の勢いがやや静まったとはいえ、消費の冷え込む日本市場にとって外国人旅行者の消費活動にはまだまだ期待が集まっています。外国人旅行者の訪日目的をみてみると、やはり「ショッピング」は上位に。外国人旅行者が心地よく買い物できる環境を整えることは、インバウンドの施策として引き続き重要な要素です。

本当はカードで支払いたいと考えてる訪日外国人旅行者

観光庁の「訪日外国人の消費動向(平成27年年次報告)」によれば、外国人旅行者の日本での決済方法で最も多いのは「現金」、続いて「クレジットカード」、「デビットカード」「交通系ICカード」です。現金よりもカード決済の利用が少ない結果ですが、もしかしたら「実際は現金しか使えなかったのでやむなく……」という不満の声の裏返しかもしれません。

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カード決済が大事な理由はいくつかあります。日本人が海外旅行をする際に大量の現金を持ちたがらないように、外国人旅行者も同じように考えます。ましてや大きな買い物をするのであればなおさらのこと。また、都市部では外貨両替がしやすいですが、地方に行くと日本円への両替が不便な場合もあります。カード決済ができないという理由で販売や誘客のチャンスを逃すのは避けたいものですね。
  
訪日外国人向けの決済方法でこれから注目したいものに「交通系ICカード」と「スマートフォンアプリを使った少額決済」があります。

日本国内の移動に便利な交通系ICカード

Suica(スイカ)やPASMO(パスモ)のような交通系ICカードは、鉄道やバスをはじめとする公共交通機関で運賃として利用できるICカードのことで、事前にお金をチャージしておくと煩わしいキップの購入が必要ありません。外国人旅行者にとってキップの購入というのはとても面倒なもの。行き先と乗り換え駅とそこまでの運賃を確認し、慣れない日本円の硬貨を用意して自動券売機を操作し、ようやくキップが買えます。
  
それに比べ到着した空港や最寄り駅で交通系ICカードを購入しておけば、首都圏はほぼこれ1枚でストレスなく移動できます。また、各カード会社の相互利用も始まっているので全国各地の観光地へも足を伸ばすのにも便利です。
  
交通系ICカードは電子マネー機能も備えていますから、小額の買い物なら日本円の手持ちが少なくても支払いを簡単に行えます。総務省は交通系ICカードを訪日客の観光案内に使う取り組みを首都圏で試験的に始め、2019年度を目処に全国展開していくとのこと。交通系ICカードを利用する外国人旅行者の増加が今後予想されます。

スマートフォンアプリを使った多言語対応とカード決済

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  • 交通系ICカードは便利ですが、高額の買い物をする場合はやはりクレジットカードが必要です。日本クレジットカード協会が行った「浅草・仲見世商店街でのクレジットカード利用動向調査」によれば、クレジットカード決済による購買金額は現金決済と比べ1.6倍もあり、商品別では「食べ物」で3.3倍、「伝統工芸品」で2.0倍と購買金額に大きな差がありました。外国人旅行者の消費活動を促すには、クレジットカードによる決済はやはり必須といえるでしょう。

クレジットカード決済の導入に関して、以前は高価な決済用端末などが必要でしたが、最近ではスマートフォンやタブレットのジャックに付けた小さな機器にカードを通すだけで簡単に決済できるサービスが提供されています。代表的なサービスとして、Square(スクエア)、楽天スマートペイ、Coiney(コイニー)、食べログペイなどがあげられます。
  
スマートフォンやタブレットを使って多言語に翻訳されたパンフレットやチラシを見せながら商品をおすすめし、購入すると決まったらその場でカード決済というスムーズな接客ができそうですね。

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