アジアからの観光客に人気の高い昇龍道(ドラゴンルート)

コラム

2016/06/10

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2016/06/10

アジアからの観光客に人気の高い昇龍道(ドラゴンルート)

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前回のコラムでは、日本のインバウンド観光で最も人気の高いコース、東京~富士山~京都~大阪を結んだ、いわゆる「ゴールデンルート」をご紹介しました。
  
ゴールデンルートが、インバウンドにおいて重要な観光ルートであることは変わりませんが、政府は訪日外国人旅行者をさらに増やし、日本全国に分散させていくために、ゴールデンルートに並ぶ新しいルートの開発を進めています。そこで、今注目を集めているのが、中部・北陸地方を南北に縦断する「昇龍道(ドラゴンルート)」と呼ばれる観光コースです。

■本州を南北に縦断する「昇り龍」

昇龍道(ドラゴンルート)の名前の由来は、能登半島の形が龍の頭に似ていることから。伊勢神宮から能登半島へのルートの形が「昇り龍」を想起させ、ゴールデンルートに隣接するアクセスの良さと、名称の縁起の良さが受けて、特にアジアからの観光客に人気が高いようです。
  
昇龍道(ドラゴンルート)を象徴するルートといえば、例えば、このような観光コースです。

1日目 中部国際空港着~伊勢神宮・熊野古道(伊勢泊)
2日目 名古屋観光~犬山・関観光~下呂(下呂温泉泊)
3日目 下呂温泉(足湯めぐりなど)~高山(高山泊)
4日目 高山観光~富山観光(富山泊)
5日目 金沢(兼六園、金箔貼り体験など)(金沢泊)
6日目 金沢観光~和倉温泉(和倉温泉泊)
7日目 輪島観光(朝市、白米千枚田など)~小松空港発

  
伊勢志摩サミットで話題となった、日本人の心のふるさとである伊勢神宮からはじまり、昇龍道エリア最大の都市である名古屋観光。室町時代に建てられた国宝犬山城、刀鍛冶で有名な関市を通って、下呂温泉でひと休み。情緒あふれる高山の古い街並みをながめ、富山や金沢の伝統工芸を楽しむ。旅の最後は、和倉温泉や輪島のおいしいもので舌鼓。
  
紀伊半島から能登半島にかけて日本列島を縦断するこのルートは、日本の歴史や文化、自然を存分に体験できる観光スポットがそろっていて、外国人旅行者はもちろん、日本人にとってもいつかは訪れてみたいと思う魅力的なコースではないでしょうか。
  
昇龍道(ドラゴンルート)は、富山県、石川県、福井県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県と極めて広いエリアで連携しているため、上記の代表的なルート以外にも、さまざまなコースがあります。
  
長野から3,000メートル級の山々が連なる立山黒部アルペンルートを通り、富山へ抜けるコースは、春は雪の壁、夏は涼しさ、秋は紅葉と、日本の四季の移ろいを楽しめます。
  
名古屋から関ヶ原を通り、琵琶湖のほとりを抜け、福井に抜けるコースには、奇岩が連なる東尋坊や恐竜の化石が多数出土するエリアがあり、古代のロマンを感じ取れます。
  
静岡から伊勢湾を渡って、鳥羽と伊勢神宮と巡るコースは、温暖で豊かな太平洋がもたらした海の文化に思いを巡らすことができるでしょう。

■旅の選択肢が多い昇龍道エリア

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  • 旅のルートが東京発か大阪発の二方向に集中するゴールデンルートに比べ、中部・北陸地方9県という広いエリアにまたがる昇龍道(ドラゴンルート)は、さまざまな観光コースが考えられ、旅行者にとって積極的に旅の行程を組み立てられるという楽しみがあります。

また、移動手段が東海道新幹線と東名高速道に偏るゴールデンルートとは違い、昇龍道(ドラゴンルート)には、新幹線や高速バスなど長距離移動の手段がないエリアも多く、都市間を在来線やバスを使って細かく移動することになります。つまり、訪日外国人旅行者が、乗り換えや途中下車をキッカケに、昇龍道エリアの街を訪れる機会が増えるということです。周遊パスなど交通アクセスの整備が進むことで、この傾向はもっと強まることでしょう。
  
訪日外国人旅行者があなたの街にふらっと立ち寄った時、どんなおもてなしができるのか、どんなサービスを用意できるのか、思いを巡らしてはいかがでしょうか。

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